むろと廃校水族館視察
徳島旅2日目、3日目は徳島の海を潜るべく徳島と高知の境目へ。
2018年4月にOPENして話題になっていた「むろと廃校水族館」へ行くことに。ダイビングを始めてから水族館って行かなくなったのでとても久しぶり。というのも水族館って手軽に海の中が覗けて良いアクティビティだと思っていた。ただ、遠足や家族に連れて行ってもらった動物園や水族館に居る生き物からは精気が感じられず、囲われた中を行ったり来たりする様は異様で、居心地の悪さを感じたのを覚えている。
なんで水族館好きじゃないのに行ったのか。
言うなれば敵情視察的なやつ。
徳島は昔からウミガメが産卵に来る浜があり、四国の右側でしか生息が確認されていないテンジクザメがいる。多様な生き物がいる海。しかも水族館の建物はもともと小学校だった廃校を改装して水族館にしたと聞く。
吉と出るか凶と出るか。
むろと廃校水族館 入り口
入場料大人600円
午後3時頃に訪れたにも関わらずGWもあってか客足は途切れずどのエリアも家族連れやカップルで賑わっている。最初に手洗い場を改修したタッチプールが目に入る。この水族館の特徴は地元の漁師の網にかかった魚を提供してもらっている点で地元の生き物を見ることが出来る。
とても低い位置にある手洗い場。なんだか懐かしさも感じながら観察してみた。
触れるって貴重な体験かもしれないね。
ただ、お父ちゃん、お母ちゃん。子供達に生き物との接し方を教えてあげてほしいなぁ。触って柔らかくて気持ち悪いとかゴツゴツして硬いとか感じて終わりやなくて、プールに入る魚もヒトデもシャコも生きてるんやから。子供と一緒に童心に帰るのは結構やけど、水辺にいる生き物を長時間外に出したらどうなるか、暗がりにいる生き物の家を奪ったらどう思うか、考えないんやなぁって。そこで、この生き物はねって、何にも知らない親と子供達に教えてあげられる知識があればなぁって思った。
タッチプールを過ぎると横長の水槽がいくつも並んでいて、カゴカキダイやウツボの水槽が目に入った。水槽の大きさの割に住人多いなぁっていうのが第一印象で、ウツボなんてパイプの穴から4匹も5匹も数多の大蛇みたいに顔を出してた。
少し時間おいてまた見に来たら、急に1匹のウツボがえづき出して、ウツボがまるまる出てきた。お腹すいたら食べるらしい。マジか。ご飯もらってないんかなぁ。
居合わせたファミリーは硬直。娘ちゃんは気になってずっとウツボを凝視。見せたくない母親。なぜウツボがウツボの口から出てきたんでしょうね。晩御飯でも食べながら今日の話題にでもしてほしいもんだ。
海に潜った時に出会うウツボは一つの岩陰に1匹住んでて、体の4分の1くらいを出して口をパクパクしたり、威嚇したりしてくる。今までに一つの穴から2匹以上のウツボがいるのを見たことがないし、人間の大きさで例えるならシングルベッドに4人か5人で寝るようなもん。絶対狭いやん。
ウツボの水槽の後ろには丸くて深さが3メートル?くらいの水槽があって、大中小のアオウミガメが計10匹ほど入っていた。写真では1匹に見える大きなウミガメの下に2匹重なって沈んでて、休憩する場所に困ったウミガメ2匹は濾過装置のパイプに器用に引っ掛けてお休みしてた。休憩するベッドも何もない水槽。
水槽には蓋が無く、水面の匂いを嗅ぐがなんの匂いもしない。連休要員で日和佐の海から呼ばれたのかなぁなんて。
2階はホルマリン漬けと骨格標本が雑然と並び、精気を全く感じないフロア。
自分が小学生だったなら何を感じただろう。
学校だった建物の外には25メートルプールがあり、2つのプールにはそれぞれ生き物たちが展示されている。水族館一押しの展示だろう。プールにウミガメやサメが泳いでいる姿を見れるとはなんて突飛な思いつきだろう!!と物珍しがるのだろうが、水深1メートルもない人間のエゴで作られた水槽。
夏場彼らはどこで涼しむんだろうなぁ。台風が来たら非難させてくれるお家あるのかなぁ。
囲われたカメ達はきっと100歳以上。
浜辺が埋め立てられ、汚染が進んだことで、カメ達は居場所を追われている。
砂浜の温度によって性別が決まるカメ達。
気候変動が原因で砂浜の温度が上がり、メスのカメしか生まれないという事態が起きている。
私ら人間たちのせいで君らの生活を奪ってごめんやで。