22世紀に残すもの 東京新聞社長菅沼さん
「22世紀に残すもの」11月のセミナーのゲストは東京新聞社長の菅沼さん。そう最近では新聞記者の題材になったり、主人公でドキュメンタリー映画化された望月衣塑子さんの方がメデイアには登場する回数が増えているのだけどと苦笑い。
私は大学で社会学のマス・コミュニケーションを専攻していたこともあり、今回のゲストはとても興味深い内容だ。「新聞記者」も公開初日に映画館へ行った。
日本の人口が減り続ける社会では、新聞の読者も比例して減り続ける。電子書籍化の波を新聞業界も早々に浴び、ニュースは紙ではなくタブレットやスマートフォンの電子記事に移行している人がまた増えている。
紙の新聞と電子の新聞。異なるのは縦書きか横書きか。そんな単純なことではない。
フィルターバブルという言葉を聞いたことがあるだろうか。
自分の気になる情報ばかりに囲われているため、一見とても居心地の良い空間にいる気になるが実は偏った情報ばかりを取り入れる、いわば「偏食状態」に陥っているのだそうだ。この偏食状態に陥ると陥っている人は気付かないのだが、自分の意見が世界の中心だと考える人も少なくないのだそうだ。新たな分断を生み、コントロールされやすい状態にもなる。
紙面の新聞を読むことは情報の寄り道になるばかりか、興味のあるなし関係なく情報が飛び込んでくる。近頃雑談が出来ない営業マンが多いのにも非常に関係性があるとか。
・深堀りするならネット
・広く情報取るなら新聞
という使い方をしてみてはいかがでしょう。
最後に、記者は事実を垂れ流すだけではいけないのだと菅沼さんは言う。
メディアは”論ずる”ことが必要であり、かつ権力の監視をする役目を担う。論ずるとはその人の意見が入っている。しかしどうだろう、昨今のメディアは解説者ばかりで論じている人はおらず、権力の監視をするどころかどちらの味方か国民が不利になるような内容も多いのではと無性に不安になる。
国民が安心して口に出来るような情報をこれからも紙面で発信していきたいと。